【1代目ネゥト】71~75話

neuto71【第71話】
25日。今日はワクト神殿で結婚式が行われてる。
「私も今日この日に式をあげたかったな……」
折角二人で生きてゆく約束したのに、まだまだ一人暮らしをしなくちゃいけないだなんて寂し過ぎるよ。それに今日は私の誕生日でもあるのよ………!!!
悔しいから絶対見に行ってやるもんか!!!(腐)ふんっ!!
今日は久々(?)に浜を思いっきり走りに行こう。あと湖に行って泳いで……神殿にも冷やかし訓練行ってやろうかしら………(悪)
まあ、それはさすがに常識はずれだしやめておこう。
ヤーノ市場で買い物して、一頻り訓練。その後温泉に入って気分はスッキリしたんだけど、寂しさは変わらなかった。
やっぱり、どんな訓練もこの気持ちばかりは埋める事ができないらしい。
私はアルヴィンを探しに走り始めた。


neuto72【第72話】
28日。今日は午後から仕事納めがあるから、朝一番でアルヴィンの家へ向かった。
というのも、婚約したということで、アルヴィンの家族に挨拶をするためなの。お母様は早くに亡くしたそうだけど、お父様とお兄様がいらっしゃるとか。気に入ってもらえるか、なんだか緊張しちゃうわ。
「ごめんくださ~い」
と声をかけたら、小走りする足音が聞こえてアルヴィンが顔を出した。
「いらっしゃい。さ、入って。お待ちかねだよ。」
「えっホント!!やだ緊張しちゃう……」
「そんな堅くならなくていいから。」
そう言ってアルヴィンは私の肩を抱いて家の中へと招いてくれた。
「紹介するよ。ボクの婚約者のネゥト。」
「は、初めまして!!私、アルヴィンさんと婚約させていただいたネゥトと……」
「おっす、ネゥト!!」
「よく来たなネゥト。さ、こちらに…」
「まさかネゥトだとはな~!!」
………ん?そういえば、この顔って……
「……あれ?父さん、兄さん達…ネゥトのこと知ってたの?」
「知ってるも何もな……」
「ほぼ毎日会ってるしな~…」
「そうそう、夕方にな。」
…………………やっぱり(汗)
「毎日、夕方?なんだよそれ!!まるでデートに誘いに行ってるみたいじゃ……」
「そ~~~だよ、毎日誘ってるんだよ……なぁ?」
「オレだって何度誘ったかわからないくらいだぜ?」
「僕だってそうだよ。ずっと好きだって想い続けてるのに……」
「……………(汗)」


neuto73【第73話】
「そ、そうだったんだ……あ、はははは………」
「笑ってる場合じゃないぞ、アルヴィン!!!」
「オレのネゥトと婚約だぁ?一番末っ子のくせに生意気だぞ!!!」
「僕は絶対許さないからね!!!」
「ちょっ…ちょっと父さん!!兄さん!!!落ち着いて!!!」
「これが落ち着いていられるかーーー!!!(怒)」
あ~~らら~~;大変、親子喧嘩になっちゃったわ~;……なんて呑気なこと言ってもいられないか……;どうにかしてアルヴィン助けないと…………よし、ここは女の武器を使ってやりますか!!!
「やめて下さい!!!お父様、お兄様!!!」
「お、お父様!?」
「お兄様…!?」
「私とアルヴィンが結婚したら、マリウシュさんはお父様、ジャムさんとブランドンさんはお兄様になるってことですよね?」
「ま……まぁそうなるか……」
「あぁ……」
「………私、両親とは不仲で……しかも一人っ子なんです。だから、こんな素敵な方たちが私の家族になるのかと思うと、今からとても嬉しくて仕方ないんです。」
「そんな……ネゥト、そんな風に思っていたんだ……」
「でも、皆さんが私を認められないって言うなら……私……」
「……ああ、ネゥト!!泣かなくていいから。私たちが悪かったよ。な?」
「ああ、オレたちのことは本当の家族だと思っていいから。」
「そうだよ、ネゥト。君みたいな妹なら大歓迎だよ!!」
「………本当ですか?私、すごく嬉しいです!!!」
*************************
「ねぇネゥト。さっきの話本当なの?両親と不仲って……」
私とアルヴィンはゆっくりと歩きながら仕事納めに向かっていた。
「本当なわけないでしょ!!!両親とは仲いいし、兄弟なら弟3人、妹2人いるわよ!!恋人だったらそれくらい見抜きなさいよね!!」
「………ネゥトが演技上手過ぎなんだよ……;」
「なによ~!!あたしはアルヴィンを助けようと必死だったのよ?感謝されてもいいくらいだと思うけど~!!」
「……ボクはなんて恐ろしい人と婚約してしまったんだろう……この先不安だ(滝汗)」
ふ~~んだ!!!そんなこと言ったって、もう一生離してやんないんだからね!!!覚悟してなさいよ?アルヴィン!!!


neuto74【第74話】
30日。とうとう今日で今年が終わる。
昨日、選挙の帰りにアルヴィンをデートに誘ったの。
「あ~あ。結婚式まだかな?」
「ははっ甘い新婚生活が待ってるんだね。」
「もう待つの嫌よ~!!ねぇアルヴィン。今夜一緒に年越そうよ~!!」
「……ごめんネゥト。今年が最後の家族との年越しだから……」
「ちぇ~~っ!!いいもん、一人寂しく縛睡してやるから!!!」
「来年からはずっと一緒にいてあげるから……な?機嫌直して。」
来年じゃ嫌なんだもん。今年の今夜寂しいんだもん!!
「………じゃ、この赤パン頂戴。」
「……………………は?」
「この赤パンをアルヴィンだと思って笑うから♪ね?だからこれ頂戴v」
「こ、コラ!!引っ張るんじゃない!!(汗) 駄目に決まってるだろ?何を考えてるんだネゥト!!!」
「なによ~~!!!ダメだダメだって、あたしのこと好きじゃ無くなったのね!!!」
「そんなわけないだろ!!!」
アルヴィンはあたしの肩を引き寄せて、瞼と、頬と、唇にキスをした。
「………これで許してくれよ……」
「アルヴィン……」
「嫌。赤パン頂戴!!」
その夜、どこかからかむせび泣く声が聞こえたという…………


neuto75【第75話】
491年1日。新年あけましておめでとう!!
今日から新しい年♪外リーグ1位だったあたしは、今年から試合ができる。アルヴィンはDリーグだから、恋人同士て試合することになるのかな~
………なんて思っていたら、なんと私はCリーグ5位になっていた。どうやら去年はコークショルグの人がたくさんの人が亡くなったみたいで、繰り上がりでこんな順位になってしまったみたい。
アルヴィンと試合できなくてちょっと残念なような気もするけど……まあラッキーだったと思っておこう。
でも、試合経験なくてCリーグまで上がっちゃったから、周りの強い人たちにコテンパンにされないようにしっかり訓練しておかないとね!!
それから、ウルグに行って仕事道具は幸運のサオを買った。去年は鉄のサオを使ってたから、きっと使いやすいんだろうな。
家に帰ってスケジュール帳の確認をすると、10日にベルのマークが付いている。
アルヴィンとの結婚式まで、あと9日。
待ち通しくて仕方ないよ。
早く、一緒の家に暮らしたい。いつでもその顔を眺めていたいよ。

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